新エネルギー車の高電圧ワイヤーハーネスは、車両の高電圧電力伝送の中核部品であり、バッテリー、モーター、電子制御装置などの主要コンポーネントを接続するという重要な役割を担っています。高電圧、大電流、強力な電磁シールド、安全保護といった厳しい要件を満たす必要があります。
その構造は主に、導体(銅またはアルミニウム)、絶縁層(架橋ポリエチレンまたはフッ素樹脂)、シールド層(錫メッキ銅編組メッシュ)、シース(耐油性および耐腐食性材料)、コネクタ(高電圧インターロック、高防水性、電磁シールド機能付き)で構成されています。
高電圧配線ハーネスは、デュアルトラック回路設計やオレンジ色の警告標識などの安全要件を満たし、厳格な絶縁抵抗(DC回路> 100Ω/V、AC回路> 500Ω/V)および耐電圧テスト(5000V/5分間破壊なし)に合格する必要があります。
主な工程は圧着と溶接です。圧着工程では、圧着点における電圧降下が15mV以下(16mm²/60A)であること、および最小引張力が規格を満たすこと(例:6mm²ワイヤーハーネスの場合、600N超)が求められます。
開発動向としては、アルミ導体や複合シールド材の適用が拡大し、高圧ワイヤーハーネス、PDU、コントローラーの一体設計により、スペース利用率と信頼性が向上しました。同時に、QC/T 1037やTCAS 356-2019などの業界標準に準拠し、耐高温性と難燃性が向上しました。